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タケノコ診療所ブログ

こちらはインドネシアにある、日系医療クリニックタケノコ診療所のブログです。
<< タイガーウッズとカサノバ症候群 | main | わが青春の森田明生(精神科医)の逝去に寄せて。 >>
無縁社会というもの。
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     最近話題は 無縁社会である。新型インフルエンザは もはや誰も見向きしくなり 大量の未使用ワクチンを買った厚生省が悩んでいるといううわさは本当であろう。

     さて 無縁社会。NHKの特別番組で放映されてから 話題騒然。
    すなわち 血縁 地縁 職縁に薄い人たちがどんどん増えて 看取られる
    こともなく孤独死をしているひとが 自殺者と同程度の年間3万人以上いる
    という現実である。

     日本は経済でNO1になったが それも斜陽となり 不景気は続き おまけに人と人の縁が薄くなり 一人ぼっちという人が増えているということである。

     そういえば・・わが身を振り返って考えると 家族に十分尊敬されているといいがたく 子供は馬鹿でないにせよゲームに夢中だし 借金はあるし・・ああ 無縁社会メンバーに堂々えらばれるのは 私かもしれない・・と思ったわけである。

     わが身のことはさておき 人は人とのつながりを失うととても弱いものだ
    という事実がある。経済発展のために日本が犠牲にしてきたものが 再び
    問題化してきたと考えることもできるのかもしれない。

     人と人が 緊密に結びついていた家族制度や地域の絆が 全部いいものだとはいえず その時代には世間体なるものが行動の指針として大きく 個人の自由やプライバシーは置き去りになれたといっても過言ではない。

     したがって 個人の自由やプライバシーを一番優先した結果の孤独なのだから それをいまさら人と人のつながりを・・・というのは 虫が良すぎる
    という意見があるのも当然であろう。

     少子化 核家族化 雇用形態の多様化 地域との結びつきの希薄化。
    批判でなく こういう現実から考えていくしかないのだろう。

     大上段に振りかぶって 無縁社会をどうするか?というのはどうも無理があるので ここでもう一度 わが身に返る。

     私が医者になったことの深い動機のひとつは 人と接する仕事がいいと思ったからで それをするなら大都会より田舎のほうがよく 田舎のついでにインドネシアに来てしまったわけだが 人と接するという意味なら 私はとても幸せである。私は 多くの人のかかりつけ医として 会社の愚痴まで聞いているし 藪だ タケノコだと言われつつ それなりに頼りにされているのも感じている。

     そう・・・医療は私が思ったとおり 人と人が病を縁として出会う場所で
    だというのは本当だ。昔 どこの町内にも 地域のお医者さんがいて さまざまな相談をすることができた。往診も すぐにしてくれた。昭和30年代
    の事だ。

     その時代から 医は拡大 専門化の一途をたどり 巨大病院ができ システムが整備されたが それにしたがって 患者の権利意識もどんどん高まり
    そして アメリカに匹敵するほど 医療過誤に対する訴訟も多くなり その結果 勤務医の仕事 ストレスはどんどん増えて 医療崩壊といわれるまでになった。

     医も無縁化しているということだろう。医者と患者というのは 病が縁なので 出会わないほうが幸せとも言えるが 医者の言うことを聞いたほうが
    自分のためだということはもちろんあり そこは 何とかと医者は使いようということでもある。

     わが貧乏診療所は 診療所などという古風な名前なのだが これは実は
    医療の原点が 人と人が出会う場所であり 病を治すための無駄を省いた
    システムでない・・・という意味を込めている。

     先生・・また来ちゃったよ・・と嫌そうに言う人が多いが ここにはやっぱり縁があるのだと感じる。電子カルテなど まったくないが 風邪下痢程度の病気でも 精神誠意 ときにずうずうしく患者のプライバシーにも踏み込んで お節介もすることもある。これが地縁に基づく医・・それを地域医療と言うのだ!!

     ・・と 何の話だったか。そうそう無縁化に対して 医は多少なりとも
    何かができると信じている。それが地域医療というものだと考えている。
    | - | 17:46 | comments(0) | - | - | - |